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ADHDの多動-衝動性の根本には、「報酬が遅れることが嫌い」という報酬系の問題があります。

報酬系とは脳内の回路のことで、楽しいことをすれば快感が得られて、その活動をもっともとめるという回路のことです。

定型発達の人は、この報酬が時間的に遅れてもある程度は我慢できますが、ADHDの人はがまんできません。

例えば、「いま、ここに100万円あります。1年、貯金すれば120万円になりますよ」と言われた場合、1年待てるのが定型発達、待てずに使ってしまうのがADHDと言えば、わかりやすいかもしれません。

他動は、次のように説明できます。例えば、ADHDの方が入院をしたとします。入院中は暇で退屈です。そうなると、その状況に耐えられずに、色々な楽しいことを探し求め探検するでしょう。そうすると、看護師さんから「◯◯さんは、いつも病室にいなくて色々なところを動きまわってます」と言われるかもしれません。

授業中も、勉強よりも、他の楽しい活動を優先させてしまうために、集中できないという状況が起こります。ADHDの人では、貧乏ゆすりやてまぜ(手遊び)をする人もいます。これは、今の活動から逃げ出せないから、逃げ出せない範囲で楽しいことをしようという発想で起こる現象です。

ADHDの人の中には過集中という現象が起こります。これは、好きな活動ならば何時間もできるという現象です。これも、報酬系の問題です。目の前の活動が快感過ぎる状態です。過集中は、その人が好きではまってしまう活動にしか生じません。

ADHDの人のあるあるとして、はまっているうちは何時間もできるのに、「飽きた」と思った瞬間できなくなるという現象があります。これも、報酬系の問題からです。

さて、ADHDの人はこれらの特徴から、『やる気が起きない』『やるべき仕事を先延ばししてしまう』という状況が起こりがちです。

これは、仕事をする上ではとても困ります。例えば、就業記録や日誌など、面倒くさくてコツコツしなければならない仕事が先延ばしになりがちです。

また、ADHDの人の中には、楽しくない仕事をやらされすぎて、調子が悪くなる人もいます。楽しい活動をある程度しないと抑うつ状態になりやすいのかもしれません。

対処法としては…

①障害特性だと知ろう
病院の外来で仕事をしていると、案外、自分の特性について知らない人が多いです。まずは、「楽しいことを先延ばしできない」「楽しくないことをやるまでに時間がかかる」というのは、障害特性であることを認識しましょう。あなたが悪いわけではありません。

②自分にとって何が楽しいのかを探る
意外にこれが、できていないと苦しいです。
何が楽しい作業かというと、単純に長い時間やっている(やれている)作業です。

③可能であれば、まとめてやる
毎日、コツコツと続けると、楽しくないんです。まとめてやったほうが、達成感が得られたりするし、やりやすいです。
しかし、仕事上のことで溜めすぎると危険なものもありますよね。そこで、貯めるリミットを作りましょう。例えば、報告書は3枚溜まったらやるなどです。

④先延ばしする仕事の後に、楽しい仕事をする
これは、行動療法の中のプレマックの原理と呼ばれるものの応用です。
子供だましのような発想ですが、先延ばししている活動の最中に、「あとすこしで◯◯ができる」と思うと、少しやる気がアップします。

⑤楽な仕事を目につかない場所に置く
ADHDの不注意がかぶっている場合、目の前にやるべきではない楽しい仕事があると、その仕事に飛びついてしまうことがあります。なので、なるべく、環境を整理することはとても大切です。

⑥嫌な仕事をする際に、同時に楽しい作業をする(ながら作業をする)
これは、仕事上、推奨されないのかもしれませんが…。
例えば、音楽をききながら勉強をする人もいますよね。あのような感じで、何かをしながら何かをするといい場合があります。例えば、報告書を書きながら、時々、メールをチェックするなどです。メールチェックは、なにげに好きな人多いんじゃないでしょうか。

⑦細かい達成感が得られる工夫をする。(連続、日誌書いている記録など)
達成感が得られると、その作業が少し楽しい活動に変わります。
営業成績とかが伸びると楽しいですよね。
To doリストを書きだして、チェックしていくのも達成感が得られます。
子どもなら、シールとか貼りますよね。なるべく、目に見えるものがよいです。

また、作業の終わりが明確でないものもありますね。例えば、1時間は◯◯をしよう等。むしろ、◯◯までは終わらせようというように、終わりを明確にした方が良いです。

また、ものが多く動くほうが達成感が得られます。例えば、資料をコピーすると、パソコンにデータを入力するよりも達成感がでますね。

人からフィードバックをもらうというのも達成感が得られます。可能であれば、facebookとかにアップしていいね!を押してもらうなどです。

このように楽しい仕事の特徴を楽しくない仕事にフィードバックしていくと、楽しい仕事に変わっていく場合があります。

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カテゴリー: ADHD