Pocket

治療を受けた方の感想になります。

 

まず、カウンセリングを受けようと決意したきっかけは「もう、手洗いをしたくない」という思いからでした。
秋から冬にかけての手洗いは、洗面所で寒さに耐え震えながらのことですし、(最長で)20分~30分も洗う必要はないと自分で分かっていたのですが、手洗いを止めるのが怖いので必死に洗っている自分がどんどん惨めで情けなくなっていました。
自分なりに手洗いを短くしようと決め、一度の手洗いにかける時間が15分くらいにはなりましたが、どうしても止めることは出来ませんでした。

 

そして私は、自分が不潔になるのが嫌なのか、家族や他人を汚してしまうことが嫌なのかが分かりませんでした。
自問自答しても、いつも「どちら嫌」なので、自分を汚さないように、他の人を汚さないように、と手洗いをし続けました。
しかし、手洗いに時間をかけるというのは長時間、洗面所を使用することでもあります。
家族に迷惑をかけないよう(汚くないよう)に手を洗っているつもりで、結果として洗面所を独占するという迷惑をかけていました。
それもカウンセリングを受けようと決めたきっかけの一つです。

 

よく「行動療法はバンジージャンプのようなもの」と表現されますが、今現在の私にとってカウンセリングは「バンジージャンプ台の端まで行けず、一歩手前で躊躇っている自分に
”一歩前に進んでみましょうか”と優しく一声かけてくれること」だと思います。
一歩を踏み出すのも、バンジージャンプで飛び込むのも自分ですが、恐れおののいて二の足を踏んでいた自分を促して頂いたような気がします。自分一人では、前に進まなかったと今ではハッキリ思います。

 

私にとって暴露体験で一番恐怖だったことは、椅子に座ることでした。
最も症状が酷かった約1か月半は椅子に座ることが怖くて、自室でも、台所で食事の際も、立ちっ放しかヤンキー座りをしていて、座る(お尻部分をつける)のはトイレと布団の中だけでした。
自分のお尻部分が(服も)汚れていて、そこから他の人に汚れを移すのでは、と考えてしまい、座るのが怖くなってしまったんです。

 

これも今だから、結果として一番怖かったと思えるんですが、最初に自分で行動した(カウンセリングで課題として出して頂いた)から怖かったのか、本当にこれが最大の暴露体験だったのかは、まだ今の自分では分かりません・・・。
「やるしかない」と決め、カウンセリングの勢いがあるうちに椅子に座ってみました。割とすんなり出来て、「あ、座れた」と、のんびり思っていたんですが、しかし座っていると、徐々に、喉をギューッとしめつけられているように息苦しく、呼吸も浅くなり、頭は血の気が引いているようで、体、特に手足は震え、全身で恐怖を感じていました。
10分から15分くらいでしょうか、座り続けたので一旦立ち上がって、丁度夕食の時間だったので手を洗いに行きました。そしてまた椅子に座ります。
立ち上がっても、手を洗っても、恐怖が全く消えませんでした。
恐怖を全身で感じていたのは、小一時間くらいだったと思います。
ゆ~っくりと恐怖が減っていきました。
椅子に座ってなくても、自室に戻っても、手足の震えや頭のなかの恐怖はまだ残りました。
次の日にまた座ると前日と同等とまでではありませんが、相当の恐怖を感じました。
ほぼ一日中、大なり小なりの恐怖がありました。
3日目で、少し落ち着けるというか慣れてきたようになり、4日目で、自分が緊張していたことが分かりました。
お尻が強張っていたのか、筋肉痛のようになっていたからです。
そこから、力も抜けるようになって、5日目からは、ほぼ恐怖は感じなくなっていました。
その後は、何も考えず自然に椅子に座っていました。「あれ、座っちゃってた」と、あとになって気が付いたほどです。

 

椅子に座る暴露のほかにも、自分なりに怖いと思っていることに挑戦してみようと、毎日、課題を作りました。
自室で棒立ちだった私ですが、外に出かけたり、汚いものの分類になっていて触るのは寝るときだけだった布団を畳んでみたりしました。
この頃はまだ全く手洗いは減らしていませんでした。
でも、今までは触れないと思っていたものに触り、恐怖を感じても「自分が触りたくなかっただけで、やろうとすれば出来るんだ」と気付きました。

 

そして2回目のカウンセリングで、洗っていない手でテーブルやドアノブなどを触ってみましょうと言って頂き、それを実行しました。
もちろん、ものすごく恐怖を感じましたし、またその勢いのまま、手を洗わず夕食を食べたら更に恐怖で、「洗ってない手」に意識が集中していました。
緊張もしました。
自室に戻っても、恐怖と緊張がなくなりませんでした。
このときの恐怖を残したまま 、「どうせ恐怖があるなら、ついでに手洗いを減らそう」と考えて、トイレ後の手洗いは一回のみ、その他は外出後以外、なるべく手洗いしないことにしました。
一気に止めたので、その分恐怖は強かったんですが、色んなものに触りすぎて、最早「どれが怖いのかったのか分からない」と、その恐怖をスルー出来るようになりました。

私が2回目のカウンセリング以降、試したことは車に乗る(助手席ですが)・家族の布団を干す・Gパンを何日か履き続ける・飼い猫を撫でる・入浴後、洗い場を軽く洗浄するのをやめる・掃除機をかけたあと手洗いしない、などです。

どれもすごく怖かったんですが、一番恐怖を感じた のは、掃除機でした。
以前は掃除機に対して恐怖心はなかったんですが、あるとき、「掃除機をかけるときって床のものを拾い上げるから汚いのかな」と、考え、手を洗いました。
それがいつの間にか癖になり、いつ頃からか「掃除機が汚い」に変化していました。
「手を洗わなければ、不安が減る」、その逆で「手を洗ったから、汚いもの」自分の行動が、恐怖を生じさせたような気がします。
ふと頭によぎった不安に自分がうまく対処していれば、強迫が重症化しなかったのかも知れません。

 

今では、多少の恐怖があっても、とりあえず日々の生活に支障はなくなりました。
本当にカウンセリングを受けさせてもらって助かりま した。
家のなかにも不安対象があり、外にも出たくない、という我が儘に対処していただいた
矢野先生とスカイプに、本当に感謝しています。
ありがとうございました。

Pocket