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人間関係の中では、相手を傷つけるかもしれない意見を言わなければならない時があります。

例えば、休日に遊びに行かない? とせっかく予定を合わせてくれたのに、「参加したくないなぁ」と心のなかでは思っていることもあるかもしれません。「あえて、ネガティブな意見を言わない」という選択肢も時には必要な選択肢です。

しかし、「ネガティブな意見は言わない」という選択肢を選びすぎると、段々、「自分は不幸な役回りばかりまわってくる」「自分だけ、我慢している…」という怒りが蓄積されていきます。これが進むと、誘ってきた相手に対して憎しみまで出てくることがあります。

こうなると、自分は「あえて、ネガティブな意見を言わない行動を選択した」のではなく、「相手を傷つけたら申し訳ない/かわいそうだから、あえてネガティブな意見を言わなかった」という考えに変わっていきます。これは、「自分が行動の選択したのではなく」、「相手が自分の行動を選択させた」と言い換えられます。更に言えば、「自分の行動に責任を持っていない態度」とも言えます。そうなると、「あの人は、空気を読まないんだよね…」「人の気持ちが分かっていない…」という愚痴も出てきてしまいます。

 

ネガティブな意見でもハッキリとした態度で言う

これは、ロールプレイをすると非常に分かります。もし、誰か付き合ってくれる人が入れば、①しっかりとした声で、ハッキリと言う、②よわよわしい声で、申し訳無さそうに言う の二つでどのように印象が変わるかを実験してみてください。

例えば、休日に遊びに行くことを断りたい場合を考えてみましょう。この例では、①と②のサンプル・スクリプトは…

①しっかりした声で、ハッキリと、目を合わせて「ごめん、ちょっと気分がのらないから今回は遠慮させて」

②弱々しい声で、申し訳無さそうに、伏し目がちに「ごめん。本当に申し訳ないんだけど…。気を悪くしないで訊いて…。やっぱり、気分がどうしてものらなくて、今回は遠慮したいと思うんだよね…。本当にごめん。」

のようにしてみてください。

 

そして、「断わるのが苦手・ネガティブことを言うのが苦手」という人は、ネガティブな意見を言われる立場を何度か経験してみて下さい。

いかがでしょうか? 実際に、カウンセリング場面でこれをやると大抵の人は、②の方が、「誘ってしまって申し訳ないという罪悪感が出てくる」とおっしゃいます。①の方は、「あーそっかそっか」で終わるとおっしゃる方もいます。 ②は「ネチネチした感じで、なんか裏がありそう」、①は「裏表がない感じ」という印象をおっしゃる方もいます。

①も②もセリフはあまり変わりません。なのに、印象が変わってきます。これは非常に重要なことなのです。

「申し訳なさそうな態度」というのは、相手に何かを勘ぐらせようとさせてしまうのです。そのため、相手に「あなたの誘いは迷惑です」という印象を与えてしまうのです。

 

何をして欲しいかを明確に言う

もう一つのコツは、何をして欲しいかを明確に言うことです。今度は、前の例に付け足して、セリフも変えてみましょう。

①しっかりした声で、ハッキリと、目を合わせて「ごめん、ちょっと気分がのらないから今回は遠慮させて」

②弱々しい声で、申し訳無さそうに、伏し目がちに「ごめん。前から言おうと思ってたんだけど、最近とても仕事が忙しいんだよね。ちょっと早くあげないといけない仕事があって…。なんか疲れてるんだよね。こんなこと言うのも、申し訳ないし、あんまり言いたくないんだけど…。こんなこと言ってごめんね。」

 

今度は、印象はどうでしょうか?②だと、「だから、何が言いたいの?」「要は、迷惑ってことなのかな?」というような印象を持たれてしまいます。

何をして欲しいのかを明確に伝えなければ、相手は「何をのぞまれているのか?」を無意識に探ろうとしてきます。「このセリフを言ってきた意図はなんだろう…」と探ってくるのです。

相手が探ろう探ろうとすると、非常に疲れる人間関係が出来上がってしまいます。

そして、相手の気持ちを読み取ろうとすると、よく読み取り間違いをするのが人間です。「体調が悪いから、休みたい」という理由であっても、「誘うのが迷惑なんだよね…」というニュアンスで伝わってしまう可能性があるのです。

相手が裏表がない人の方が、自分も裏表なく接することができます。

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カテゴリー: アサーティブ

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