2015年7月23日

自己紹介


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臨床心理士の矢野宏之です。

 

心理療法が必要な理由

精神科の大きな柱は、心理療法(精神療法)と薬物療法です。この2つは、お互いを補いあう関係にあります。例えば、強迫性障害は、SSRIだけで、寛解状態に至らない方も多くいらっしゃいます。それは、習慣としての強迫行為が残るからです。また、SSRIで寛解に至ったとしても、強迫性障害について知り、認知行動療法を実践しておられないと再発のリスクがあがります。似たような現象は、パニック障害を始め、うつ病、全般性不安障害、社交不安障害などの不安障害全てに当てはまります。

また、薬物療法の中には長期服用が問題となるものが存在します。それは、抗不安薬と呼ばれる薬です。抗不安薬の多くは、ベンゾジアゼピン系と呼ばれる種類のお薬です。睡眠薬の多くも同じベンゾジアゼピン系です。これらのベンゾジアゼピン系は、長期服用することで、ふらつき、健忘、依存の問題を引き起こすことが知られています。抗不安薬は、治療の初期に頓服として持たされることが多いと思います。病気の治療初期には非常に役に立ちますが、ある程度病気がよくなると、これらを減薬していく必要があります。特に不安障害、不眠症といった状態では、認知行動療法を用いることで、減薬がスムーズに行く場合があります。

また、薬が効きづらい状態の方もおられます。例えば、抜毛症、対称性の強迫等の強迫観念が明確ではないタイプでは、薬物抵抗性があると言われています。これらの、薬物療法が効かないタイプの症状に対して認知行動療法が効果があることがあります。他にも、うつ病は脳の機能障害という側面もありますが、行動の習慣がうつ病を維持している場合があります。ベッドの上で長々過ごす、気分が乗らないから外出しない等です。これらは、この行動の習慣の要因が大きい状態ですと、薬物療法のみで治療を行なっても、期待する効果は得られない可能性もあります。
精神科のユーザーがエビデンスのある心理療法を求め、臨床家がエビデンスのある心理療法を提供していけば、いつの日か心理療法が保険点数化され、もっと治療費用が抑えられるのではないかと思っています。例えば、イギリスのNICEガイドライン等では、軽度のうつ病の方には先に認知行動療法を提供します。その方が、長く服薬が必要な薬物療法よりも治療費用が安く抑えられるからです。薬物療法を否定するわけではありません。今の日本では、薬物療法と心理療法のバランスが悪いのです。

 

治療理念と情報提供

私の理念としては、エビデンスに基づいた治療法と治療をクライエント(患者)にあわせることです。エビデンスがある治療法だからと、闇雲に認知行動療法を行なっても意味はありません。例えば、解離性障害に対しては認知行動療法はエビデンスはないし、ガイドライン上も推奨されているわけではありません。逆に、エビデンスはなくても、認知行動療法を行う場合もあります。エビデンスがない治療法も用いることがあります。例えば、PTSDに対して自我状態療法がエビデンスがあるという包括的な論文(Systematic review)はありませんが、臨床上必要であると感じたなら用います。

インターネット上では、数々の情報があります。例えば、「30日でうつ病が治る」「私はパニック障害をこれで克服しました」等です。これらは、本当に効果があるかもしれませんが、私は信用できません。一つの理由は、その中身が不明であることでしょう。やり方が分からない、その方法を機密にすることで利益を得ているという印象を持っています。

そこで、私なりに海外の文献等を含めた心理療法の情報提供をする場が必要であると思うようになりました。うつ病に対する認知療法ですらも、全てのうつ病が対象になるわけではありません。
また、認知行動療法は自助努力が少なからず必要になります。自分でなんとかしたいと思う方もおられると思いますし、私もそういう患者さんに何人もあいました。そういう患者さんは、自分で専門書を読んで、非常に努力されています。その方たちにも情報提供をできる場があればと思っています。

 

カウンセリングの流れ

 

アセスメント(査定)

自分の病気を治療していくためには、どのような病気なのかを正しくしる必要があります。また、どのような症状がどの程度あるかは、人によって全く違います。このような状態を把握し、どのような治療を考えていくことが大切です。

治療・支援

治療には主に、認知行動療法、EMDRを用います。これらを、現在の状態にあわせて組み立てていきます。

課題とフォローアップ

認知行動療法の場合、必ず課題が出されます。この課題を行えるかどうかが、認知行動療法をしっかりとできるかどうかを左右してしまいます。その為、電話、メール、LINE等によるフォローアップを行なっています。また、カウンセリング後の追加の質問等をお受けしています。

 

学歴・職歴

・久留米大学・大学院 心理学研究科 卒業
・熊本大学医学部附属病院神経精神科 ・九州大学人間環境学府人間共生システム専攻臨床心理学指導・研究コース博士後期課程 在籍

専門とする治療法

・認知行動療法・応用行動分析・EMDR

所属学会

・一般社団法人 日本認知・行動療法学会・日本認知療法学会・日本EMDR学会