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強迫性障害(強迫症)の、一般の方が読める論文として分かりやすいものは…

強迫性障害の現在とこれから -DSM-5に向けた今後の動向をふまえて-
強迫スペクトラム障害の展望 -DSM-5改訂における動向を含めて-

の二つであろう。共に精神神経学雑誌であり、著者は松永寿人先生だ。

洗浄強迫は、ある意味、汚しまくれば何とか治っていくが、確認強迫は、少し難しくなる。

確認強迫も、行為としては確認だが、その背景にある強迫観念は様々だ。

「汚れがついていなかったか?」:これは洗浄強迫を持っている人が持っている可能性がある。洗浄と確認がある人は、こういう複合的な症状が出る場合がある。この場合、エクスポージャーをしている時に、無意識に汚れていないものをさわろうとする回避行動が生じている場合がある。積極的に、この確認をせずに汚いものを触るエクスポージャーが有効になる。

「スイッチがついていたら、火事になるんじゃないか」:このように家の中で特定のことをしなかったら、火事や泥棒の被害にあうという強迫観念も多い。この場合は、スイッチを付けたまま外出したり、スイッチを沢山付けたり消したりして、スイッチが付いているのか消えているのかわからない状態で外出する等をする。この場合、スイッチをつけっぱなしにするというだけでは、あまりエクスポージャーにならず、その先にある恐れているものにエクスポージャーをする必要がある。そのため、最悪のストーリーを書きだして、それを毎日読むという方法も有効なことが多い。また、実生活ではスイッチを一回だけゆっくりと消すという練習もする必要がある。

「もしかして、人にぶつかって、人を押し倒したんじゃないか」:これは、加害強迫の一種になる。よく、自動車運転をしていた際に、人をひいたんじゃないか?と思って引き返す人が多いように感じる。この場合も、なるべく引き返さずに人が多い所を運転するというエクスポージャーを行う。後ろを振り返ってもダメだ。人混みの中をボールペンをもって歩くということも行う。

「変なことを言っていなかったか」「間違った言い方をしていなかったか」:これは、正確性の強迫と言われる部類で、この強迫観念は、少し厄介な場合がある。この場合は、積極的に変な言い方や間違いを起こすようなエクスポージャーを行う。このタイプの人は、社交不安障害のような状態像を持っている場合もあるので、人前で変なことをしたり、街角で変な張り紙をもってたつなどのエクスポージャーが有効な場合がある。

「いつもと違うやり方だったか(しっくりこないやり方?)」:この場合、強迫観念が明確でない場合が多い。これは、強迫性緩慢に近い状態だ。この状態が厄介なのは、しっくりこないやり方が起こった場合、納得するまでやり直してしまうということだ。そのため、治療しようという意欲がなかなかでない場合が多い。治療の初期には、むしろ家族がどう関わるかという点で支援を考えた方が良い場合もある。強迫性緩慢の治療はいずれ、まとめて書く予定。

 

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カテゴリー: 強迫症(強迫性障害)