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強迫性障害は、DSM-IV-TRまでは、不安障害の一つの下位分類でした。

しかし、DSM-5においては、強迫症として独立した項目になりました。

 

その理由は幾つかありますが、その一つに、強迫性障害は不安の病気ではない可能性が指摘されています。

強迫性障害の方の話を聞くと、「不安になる」とおっしゃる方と、「気になる」とおっしゃる方がいることに気が付かされます。実際は、両方を同時に感じる方もいらっしゃいます。

この「不安になる」とおっしゃる方は、実はどちらかと言うと少ない、少数派の方です。多くの方は、「気になる」とおっしゃいます。

この「気になる」という感情は、嫌悪という感情になります。実際、いくつかの研究では、強迫性障害の患者が感じている感情は不安ではなく嫌悪ではないか?という指摘があります。

これは、強迫性障害のタイプ(洗浄強迫、確認強迫等)とはあまり関係がありません。洗浄強迫でも不安の方もいれば、嫌悪の方もいます。

ただし、認知的タイプ・運動的タイプでは違いが見られます。運動的タイプは、不安でも嫌悪でもなく、不全感という言葉が最もしっくりくると思います。

参考:強迫症(強迫性障害)の強迫観念と強迫行為の分類とタイプ:タイプによる治療戦略

 

いわゆるSSRIは、この不安系の強迫性障害に最もよく効くと言われます。

 

一方、嫌悪系の方は、不安系の方と違って、暴露儀式妨害法をした時に、上手に設定をしないと、上手く刺激に直面できない場合があります。

簡単に言えば、不安系の人は、自ら不安になっていくので、細かい設定をしなくても暴露儀式妨害法が上手く行くことが多いです。一方、嫌悪系の人は、そのような刺激を起こさないように様々な対処をされることが多いです。

ご自分で暴露儀式妨害法をやった時に一番問題となるのは、上手に設定を作れるかどうかという点になります。

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