性暴力被害/レイプの特殊性


性被害の記憶の曖昧さ/事件化の難しさ

性被害というのは密室で行われることが多い犯罪になります。このことは、被害者の目撃を裏付ける証拠が少ない犯罪ということになります。そのため、目撃証言は、ほぼないことが当たり前の犯罪になります。

また、性被害にあっている最中、当事者は混乱状態にあります。もしくは後から事件のことを思い出すと、曖昧にしか思い出せないということが起こります。質問の仕方によっても、内容が変わるために信憑性が薄いと判断されることがあります。

さらに物的証拠がえられにくいということがあります。例えば、加害者の体液などはとても有力な証拠になりますが、これらの物的証拠を採取するためには、24時間以内に専門医療機関を受診し、これらの証拠を揃える必要があります。しかし、一般的に性被害を受けた方がこのような専門医療機関を即受診することは難しく、物的証拠が薄いために立証しにくいということになります。

 

夫婦関係でも性被害は起こりうる

性被害というのは、夫婦関係でも起こりえます。例えば、妻(ないし夫)が性行為を望んでいないのに、夫(ないし妻)が性行為を強要することによるトラウマというものがあります。また、夫婦関係という中で性行為を強要しても、性被害という認識が生じにくいという問題もあります。

性的倒錯によっても性被害は起こります。例えば、レイプ・SMなどの性指向がある方が自分のパートナーに対して、レイプを行うということや、パートナーの拒否を無視したままSM行為を継続した場合も本人にとても大きなトラウマを負わせてしまいます。

 

性行為そのものに対する嫌悪感/罪悪感

性行為に関しては、まだまだタブー視されている傾向があると思います。そのため、社会の中では秘め事、隠されないけない行動だと思われているように感じます。そのため、勇気をだして自分の苦痛を話した所に、社会的な無理解から否定されるということもよくあります。例えば、「ついていったあなたも悪いと思うけれど…」「それをあなたも許したんだよね」「そういう格好で歩いていたのも不用心なのでは?」「二人っきりになるのもよくないよね」こういったものです。これらの言葉によって当事者は二次被害を受けてしまいます。

また、性行為に関して嫌悪感を持っている方もいることも事実です。そのちょっとした嫌悪感・抵抗感が性被害によってとても大きなものになってしまいます。これも性被害への問題でとても大きな問題になります。

性行為中に快感を覚えてしまったことに対する罪悪感というものもあります。特に女性の場合は、膣分泌物液が出たことに対して、相手を受け入れてしまった、快感を覚えてしまったと捉え罪悪感が生じる場合も少なくありません。

また、性行為を早く終わらせようとして、相手を受け入れようとしてしまったことが、「相手の行為に対して同意した」と後から感じてしまうこともあります。この行為も罪悪感につながっていきます。